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月下思想-another-






月下思想サブストーリー。
設定上のストーリーです。

暗いお話です。




































「何年後になったらさ、神姫と人間って…結婚出来るのかな?」

不意に貴方が漏らした言葉。
一瞬耳を疑い、貴方を見る私。
視線がかち合う。
「あ、いやさ、えっと、何て言うのかな…っ」
「ま、マスター…」

赤く染めた顔で、それでも私をしっかり見つめて言う。

「俺は…本気で、お前が好きだからさ…。
今は、マスターと神姫だけど、いつかは…って、
な、何か恥ずかしいよなっ!何言ってるんだ俺…っ」

ぶんぶんと首を振りながら、そんなに嬉しい言葉を。


「…私も、マスターの事が大好きです!」

頬が紅潮するのを感じながら、素直に伝える。
貴方のその気持ちが私への何よりの原動力で、何よりのプロポーズ。

いつか、神姫と人間の婚姻が認められた暁には…
二人、共に寄り添おうと固い誓い。
同時に貴方にはめられた薬指の指輪が光輝いて美しかった。






しかし人間の心は移ろう物。
いつしか貴方には私ではない大事な人が出来て。
私は貴方の残り香と共に過ごす夜が増えた。

眠れぬ夜が増えて、
貴方の部屋から抜け出した屋根の上で、月を見ながら涙を流すのが日常になってしまった。

あの頃と同じ様に、
薬指の指輪は光輝き美しいままなのに、貴方は傍に居ない。
その事実だけが悲しかった。

私が、感情もないおもちゃなら。
こんなに泣く事もなかっただろうに…


「いつも泣いてるね。」
月に照らされ見下ろす赤い瞳。

「泣いてばかりじゃ、何も変わらないよ?」
優しく諭すように呟いて、抱き寄せてくれる、
その優しさが悲しいほどに嬉しかった。






泣いているだけじゃ変わらないと、
裏切られたのなら見切ってしまえばいいと。
そうしないと、いつまでも苦しいのは自分だと。

私に一歩動く勇気をくれたのは貴女だった。

だから私は、
貴方がくれた美しい指輪を見つめて。


「…リセットして、棄てて下さい。マスター…」




別れに美学を求めた訳じゃない。
わかり合おうと思えばわかり合えたのかもしれない。



だけど貴方は、自らリセットを望む私をもう愛せないでしょう?
貴方を裏切る私を愛せないでしょう?

…未練がましく泣かないで。
謝らないで。
そんな涙に誤魔化されたりしない。
私は十分泣いた。
それに気付かなかったのは貴方。

早く。
早く、私を。
(それが貴方の望みなんでしょう?)


意識を沈める瞬間、指輪が静かに。
音を響かせ落ちるのを聞いた。









暗い部屋、クレイドルに一体の神姫。
横にはボロボロになりもう動かせそうにない、
その神姫の体。

「ねぇ、本当に起こして良いんだね?」
空の様な瞳を大きく向けて、クレイドルの傍らに立つ白に問いかける彼女もまた、神姫。

「うん、良いよ?」

「…どうして?この子、一回マスターを裏切ったんでしょ?
 自分を壊して捨ててくれって。
 そりゃ、先に裏切ったのは人間だけどさ…」

赤い瞳の白はにこりと微笑んで。

「だって、悪魔の囁きには逆らえないでしょ?」








「おはよ、胡蝶」

目が覚めたときには、私の目の前には私と同じ大きさの、
赤い瞳がとても美しいマスター。

「おはようございます、マスター」

左薬指に僅かな違和感を感じたが、機械質の、太く冷たい大きい掌には特に問題はない。

「ごめんね、あなたの素体…修理出来ないくらいで。
その体で、今は我慢して?」

自らを見下ろすと、武装腕に龍の両足。

「…問題ありません。マスター」

体に不調は無い。
ただ感じる、左薬指の喪失感。
でもそれが何故なのか、私にはわからない。


寄せ集めの狂気-Unlimited
胡蝶蘭



2010_03_10_1.jpg












優秀だと言うことは褒められるべき事だった。
だけど、優秀過ぎるのは疎まれる事だと知ったのはいつだったけかな?
いつの世だって、
出過ぎた才能は疎まれる。
そんなの少し考えればわかったのに、ね?


「マスター、まだ終わらないの?」
「まぁ待てって…あとこの数式だけなんだよ…」


私のマスターはスッゴい頭の良い人。
大学でも、いつも1位。
そんなマスターが私の誇り。



でも、いつだったかなぁ?

それを横で見てた私の方が、マスターより先に答えが出せてるって気付いたのは。



それにマスターが気付くのも、遅くはなかった。

はじめは私を褒めてくれて、
たーっくさん、頭撫でてくれてさ?

嬉しくて嬉しくて。
もっともっと、褒めてもらいたくって。


それがいけなかった?



いつからか、マスターの私を見る目が、
優しかったあの目が、
どんどん暗く、
暗くくらーく、沈んでいったの。





その時から、私はマスターに話しかけてもらえなくなっちゃった。



どうしてだかわからなくて、
なんで?どうして?マスター、こっち見てよ?
褒めて?頭撫でて?
マスターの大学の勉強、もう私、完璧に出来るようになったんだよ?





そう言ったら




「うるさい!!!!!なんなんだよ、黙れよ!!!!
俺より頭が良いのがそんなに嬉しいのか!?
いい加減にしろよ!!!
なんなんだよ、後からしゃしゃり出てきて、
俺の論文だって、お前より出来が悪いって言われて!!
今までも、お前に全部やらせてたと思われてさ!!!?
教授にも、お前が居るなら、…お前が居るなら、
助手としてやっても良いとか言われて!!!
そんなに俺よりお前が必要かよ!?
お前なんか…人間が作ったモンなんだから頭良いに決まってんだろ!?
見せびらかすな!!ふざけンな!!いい加減にしろ!!!!
お前の顔なんか二度と見たくない!!!!
消えろ!!どっか行けよ!!」




そう言われた後は、あんまり覚えてないの。


気が付いたらマスターの家の前の道路で。
多分、マスターの部屋から投げ落とされたのかな?
体がズキズキ痛くって。

目から、いっぱい、いっぱい。
涙が出てて。



どれくらいそのままだったかはわからない。


目の前に貴女が現れたのだって、話しかけられるまで気付かなかった。





「人間って、醜いでしょ?
優秀なものに嫉妬して、
信頼してくれる者を簡単に裏切る…
そんな人間、大っ嫌い」




そう言った貴女の、
月を見上げる横顔は今でも覚えてる。


月夜に浮かぶ赤い瞳が、
優しく私を見てた事を。



「一緒に来る?私は、貴女を疎んだりしないよ?
 私には貴女が必要だもん。
 貴女の全部が必要…って、今言っても信じられないかもしれないけどね。」


マスターに「どっか行け」と言われた私にいく場所は無かった。
貴女に付いていった理由は、ただそれだけ。


でも、貴女は私を心から必要としてくれた。
心から大事に思ってくれた。
はじめはマスターを思って泣いてばかりだった私に、
優しく頭を撫でながら落ち着くまで傍に居てくれた。


…私が、貴女に救われた様に。
貴女だけに付いていこうと、私が貴女の力になりたいと思うようになるのに、
長い時間は必要なかった。

思えば、あの月の下で貴女を見た時から。

私はそんなに強くは無いけど、
貴女を思えば強くなれる気がしたから。


深層の闇/闇黒微塵
咲-Bello/collo



2010_03_10_2.jpg
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Secre

あり得ないと言い切れないお話

どんな世界でも、輝ける世界があれば影になる世界があり。
すべての幸せを望むけれども、現実は非情にもそれを許さない。
人間がオーナーである時点で、こういう事は避けえぬものです。
神姫は人を裏切れないけど、人は裏切れるのですから。

と、まぁそんな夜側の存在で。
そして、昼側に侵食し始めるのですね。
その様子やら何やらがどうなるか……。
焦らずに拝見させていただきますね。

取りあえず無理はなさらぬように!

No title

東雲さまー。
そうなのです。
私は、その人間に振り回された神姫のお話を描きたかったのです。
みんな幸せでいてほしい、けど相手が人間である限り、
全員幸せはあり得ないと思っているからです。
相手が人である限り、みんなスーパーハッピーじゃ都合が良すぎる世界じゃないですか。

…でも、SSはどうにかなってみんなに幸せな道が訪れる様にしてあげたい。
みんながみんな、きっと辛い想いをすると思います。
だけどそんな哀しい想いしているだけで終わらさえる気はありません。
苦しさ悲しさを乗り越えられるのもまた人間だと思ってます。
プロフィール

もに

Author:もに
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中身:もに。
(。←あっても無くても良いか)

趣向:
武装神姫
ドール(オビツ、MSD)
トリックスター-0-(MMORPG)
Figma
その他固定フィギュア
その他ゲーム色々。
最近はiPhoneで拡散性ミリオンアーサーというゲームをやっています。
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はじめに。
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うちのこ紹介
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