スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

月下思想-5-何も知らない







いい加減本筋に入りたい。
ネタばかりが先走っている感が否めません。
前回に引き続き続き、白魔型考案者の東雲様のお宅より数名お借りしております。

引き続き心の弱い部分は続いてます。
そんなに酷過ぎはしないですが。
苦手な方は気を付けて下さい。





















































「白薇さんに…微妙にでも良いんですが…
変化が出たのは、いつからだかわかりますか?」

柔らかな、とは言い難い風を受け広がる髪を左手で抑え。
右手にはルビーを確り支えながら。
左に靡く金色の髪を見詰める。

「…それは、正確に?」

動かない両足の上に手を乗せて、閉じた両目を開かずに問いを問いで返す。

「正確に、です。」
その答に重苦しい息を吐き、

「…5ヶ月と12日間、6時間53分21秒前に会った時から、かな」
「……」
正確過ぎる。

「…冗談ですか?」
「正確にって言うから正確に言っただけだよ?」

にこりと笑い。
嘘を言った後の笑顔なら、彼はどれだけ嘘で塗り固められた人生か疑わざるを得ない。

「そいつ本気で言ってンだよ」
猛スピードでかっ飛ばす癖に会話は耳に入っているらしい。
ユウキの前…運転席のツバサが煙草を銜え白煙を吐きだしながら端的に答える。

「僕の頭、普通じゃないからね」
笑顔を絶やさぬまま。
思い返すように呟く。

「あの子…僕の膝の上で、ずっと、僕に謝ってた。」
聞こえない位小さい声で。
ずっと、ずっと。
「ごめんなさい」って何度も何度も。
あの子は何も悪くないのに…。














そこで拡げられている惨劇が理解出来ない。
何があったのか理解出来ない。
こんな光景。
夢の…倒れた神姫達を彷彿する。
視界が揺らいだ。
倒れそうになる体を、扉に手を付いて支える。

「白薇っ!!あんた何して…っ!」

月夜の意識を浮上させたのは、夜狐の白薔薇を呼ぶ声。
李狐が白薇に駆け寄り、肩を掴み大きく揺さぶっている。
…見ている事しか、出来ない。
初めて見た姉は、壊れ切った部屋の中で壊れていた。

「白薇!?白薇!!!」
焦点の合わない瞳。
何も映さない。

口元は悲しく笑みを湛えたまま。

「白薇…ッッ、!」
李狐が、キリと歯を鳴らし。
手を振り上げた。





















部屋から先に出たアキラは、
場所を移動し正門…
≪Garden≫の入り口の外に居た。
公害なんかとは無縁の生産業ではあるが、
どうしてか大分山奥に此処はある。
電波は通じるし空気は良いので困りはしないのだが。
…そんな環境にあってか、
電話等には、室内より外の方が静かで都合も良い。
慣れた様子で携帯電話を操作し、当然の様にある番号を呼び出す。
暫くの無機質なコール音。
後に、彼方が電話口へ出た事を記す小さい音。
いつも慌ただしく聞こえるあちらの音が、今日はなんだか静かだ。
此方の様子を気にして聞き耳を立てているんだろうか?
相変わらず、あっちからの"もしもし"の一言も無い。
全く、変わらない…。

「あー、なっちゃん?元気ー?」
とにかく此方から話し掛けねば話が進まない。
相手はそうゆう相手だ。

『アキラか。こちらに変わりはない。そちらは問題無いか?』
「うん?うん、ノッテも無事起動したしー…えーと、なんだっけ。」

思い出そうとする前に切り出される、
言いたかったコト。

『白薇の様子がおかしいだろう?…兄が気にしていた。』
「あ、うん…そう。
それでなっちゃんに相談しなきゃって思ってたんだった…」
『お前は相変わらず…兄と違い記憶力が悪いな。』
「い、良いんだよ!仕事するのに困らないもん!…今んところ。」
『その事だが』

そこまで言ったところで。

遠くから、鋭いブレーキ音。
地面を全て抉ろうとするような。

『丁度良くタクシーが来たのでな。』

始めは電話の向こうからの音かと思った。
でも…違う。
どんどん近付いてくる。
そう、電話の向こうからなんかじゃない。

『松本をそちらに向かわせた。』

「…タクシー、って…」

あんな音立てて走るタクシーなんてあるものか!
とそこまで思って、思い返す。

タクシーじゃないけど、心当たりは…ある気がする。


≪Garden≫正面玄関より先、正門に一瞬赤い影。

そして―――


ギャギャギャギャギャッ


砂煙を上げて急角度のドリフト。
正面玄関前に停車した赤いオープンカー。
もう、誰が乗ってるかなんてわかってる。
こんな車で、あんな乱暴な運転でここに来る奴なんてコイツくらいだ。

頭の片隅で思い出しつつ、

「仕事、早すぎるよ…なっちゃん。」

と電話口に呟いた。

向こう側の彼女は吐息だけで笑い、
『褒め言葉だ。』
と残し、通話を終えた。














運転席から降りてきたのは、やはり思い浮かべた人物。
例の3人。

「ハッ、どーだよ。
風切った方が気持ちいいだろーが」
「ですが…スピード出し過ぎです。
速度制限大丈夫なんですか…」
「うっせぇな!!!この辺は制限なんざ関係ねぇよ!田舎だから!」


ツカツカと歩み寄るアキラ。
そして。


ゴッ


「……ッ!!!!!」
「あ。」

数時間前にユウキに肘鉄を受けた処に、今度はアキラの蹴りがヒットした。

「なんで大人しく走らせられんのかなぁ、君は。」
「だ、から…っおま…っ!」
「あはは、俺とやる事おんなじなんだからなぁアキラは」

蹲るツバサを尻目に笑うユウキ。
やっぱり鬼だった。
痛みを与えた当人に至っては既に松本の方に向いていた。

「おっひさしぶりーゆーちゃん♪元気してたかね?」
「お久しぶりですアキラさん」

ばしばしと大げさに松本の背を叩く。
誰に対しても態度は変わらない。
取引先の人間であっても。
それが彼女と兄の違い。

「ユウキもケッコー久々だよねっ!」
ピースサインで兄に向き直るアキラ。
無言でピースサインを返すユウキ。
何処までも同じ顔なのに、何処までも正反対な二人。





そこへ。
「ユウキ…ッ」

正面玄関から、小さい声。
何より先にユウキが其方を向く。

其処に居たのは。
小さくか弱い、白髪の神姫―――白薇。

「白薇っ!!!」

後部座席のドアを開け、足が動かないのに無理矢理移動しようとするものだから。
当然、重力に従い地面に叩き付け…
られるより先に、慌てて支えあげるツバサ。
男にしては小さすぎる身体。
自らの身体を支える事すらままならない。

「ユウキ!!!!!」


駆け寄る白薇。
唯見つめ、自ら動く事が出来ない。
あんなに辛い思いをしている娘に、自ら駆け寄る事すら出来ない。
なんと不甲斐無い事か。

…等と考えているのかは解らないが。

駆け寄る白薇をしっかり抱き留める。

「ユウキ…身体は大丈夫なの!?無理しないって約束したでしょ!」
「大丈夫だよ?大丈夫だからここに居るんだよ」

感動の再会。
の様に見えるが。
ルビーは、苦しそうに白薇を瞳に映した。



白薇の後に続いて居たのだろう。
李狐とノッテがアキラに寄り。
とんとんとアキラの靴を叩いた。

それを合図にして、アキラが手に二人を呼び寄せる。
「どうしたの?李狐…」

泣きそうな顔。
状態に異常を感じた。
ぽつりと、李狐が口を開く。



「白薇…どうしちゃったの…?」





その声に、ノッテの瞳から一筋の涙が流れた。









---------------------------------





「白薇…ッッ、!」
李狐が、キリと歯を鳴らし。



パンッ




乾いた音に、伏せかけた目を向ける。

李狐が…白薇の頬を叩いた音だった。

かくんと白薇の顔が下へ。


「何してるの!!!!どうしたの白薇!!!」

怒鳴りつける李狐。
ノッテは…未だに部屋に入る事が出来ずにいる。
そこに自分が居ても。
何も知らない自分には何も出来ないのだ。


「…り、こ…?」

白薇が顔を上げる。
そこへまた、李狐が怒声を上げる。

「何してるんだって聞いてるの!!!!!あんたどうしたの!!!?」
「な、何言ってるのよ!?」
「…え?」


何言ってるの。
それは…

どうゆうこと?


「それはこっちの台詞でしょ!?部屋こんなにして…何してるんだって聞いてるの!!!」
「え…?っ、何、これ…!!」
「は!?なにって、あんたが…!」
「わ、私!?何もしてないわよ!」
「何もしてないって、あんた…っ!!」

何もしてない?
そんな筈が無い。
全てがすべて。見えるものは全て、ずたずたにされて。
無事なのは白薇とクレイドル。
それだけのこの部屋。
何もしていない、筈があるわけが無い。

李狐が、再び白薇の肩を掴む。
一瞬肩を震わせるものの、白薇の視線ははっきりと李狐を見つめたまま。

「何も知らないわよ…!今李狐に叩かれて気が付いたら…っ」
「…そんな…っ」

そんな筈が、無いのに。

その言葉の通りなら。



じゃあこの惨劇は誰がやったと言うのだろう。
部屋に居たのは白薇だけ。

白薇ではない誰か?
考えられる訳がない!!!



ノッテが崩れ落ちたその瞬間と同時に。
李狐は白薇の肩から手を離し…崩れ落ちた。
何が起こっているのか。
全く理解が出来ず。

涙を必死に抑える為だけに、両の手に力が籠った。





next...



スポンサーサイト

comment

Secre

仕事が早いとかそんなレベルじゃねーぞっ

連日更新、だと……っ!?
もに。さんの恐ろしさに片鱗を味わったぜ……(ぇ
っていうか、本当に早くて驚きましたとも。
有りがたい事ですが!

白薇さんが大変な事になっていますね。
まぁ、マスター大好きな白魔の前で、事故って車椅子になれば……。
とも思いますが、その理由とかは邪推せずに待機してます。

あと、個人的に≪Garden≫の描写や立地は好みでする。
確かに、工場は広さが必要ゆえに郊外にあるものです。
が、それよりも自然と一体的な雰囲気はいいですねっ。

さて、夏希の演出が楽になるように、自分もSS書きあげないと。
色々と変な人だから文章にしないと……。
というか私もいい加減SSの続きを書かないとだね……(ぁ

最後の二人が崩れ落ちた理由等など、気になる所は数多いですが……。
焦らずお待ちしております。無理はしないでねっ!

No title

東雲さまー。
目標があると進むのです…!
目標は5月までに完結…出来るかわからないけど;

>マスター大好きな白魔の前で、事故って車椅子になれば……。
まぁ、あれです。
ちょこちょこネタばれみたいに書いていってるので、わかるとは思いますが
その辺は今後という事で!
ネタばれとか複線みたいな事を残していく変な書き方が好きなんです。
伏線にもなって無いですが!←

≪Garden≫は私の理想でもあります。
だから庭っという事で。
そんな庭が欲しい。(無理言うな)

>崩れ落ちる
崩れ落とさせたかったんです←テメェ
まぁ…まぁそんなことはないですよきtt(

SSはのんびり楽しみにしてますー!無理なさらないようにお書きくださますぇ><
プロフィール

もに

Author:もに
--------------------------
中身:もに。
(。←あっても無くても良いか)

趣向:
武装神姫
ドール(オビツ、MSD)
トリックスター-0-(MMORPG)
Figma
その他固定フィギュア
その他ゲーム色々。
最近はiPhoneで拡散性ミリオンアーサーというゲームをやっています。
--------------------------
はじめに。
--------------------------
うちのこ紹介
--------------------------
超勝手個人企画
--------------------------
トリスタ自キャラ
トリスタ所属ギルド
--------------------------

呟いた
リンク
カテゴリー
トリスタカウンター
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
ブログ内検索
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。