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激化、疾走-7-地獄




※連載SS『月下思想』の第7話目になります。

書きたかった所に突入。
地獄の門が見えてくる。

大分心の弱い面が出ていますので苦手な人は避けて下さい。
文才の無さでそんなにひどくは無いです。

あと、地獄等について語られている部分に関しては
私の主観も大分込められています。
そこはあまり気にしないで下さい。

続き、白魔型考案者の東雲様のお宅より数名お借りしております。








































あ゛ぁあ゛っあぁ゛あぁああ゛―っ゛―ああ゛ぁぁあ゛―――ッ


壊れる、
壊れて逝く。
全ての時を止めて。

頭を抱え、
身を震い、
世界中の恐怖という恐怖を全て味わい。
それでも足りない。
この想いには足りない。

意識が、
壊滅。

松本の声で駆け出したルビーが白薇を強く抱き締め、
何かを呼び掛けている。
それでも足らない。
この恐怖には足りない。

ルビーは白薇を抱え、バーチャルフィールドを後にした。








白薇の豹変に息を飲み、
唯々立つことしか出来ないの者達の中から、
筐体越しのあの叫びを直接耳に入れた途端、
自らも泣き叫びぐちゃぐちゃの顔など気にせず、
ノッテはルビーの前へ飛び出した。


そして紅玉の頬を、思い切り叩いた。


当人も何故
まだ会話すら交わしていない姉の事で、
こんなに鼓動が騒ぐのかはわからない。
唯の衝動とは言い難い、
だが確かにそれは衝動。
本人も、何をしたのか解っていないままに、意識が遠きゆく。

しかし現実はそれを許す程甘くは無く。




突如地が揺らぐ…衝撃。


白薔薇に止められた時の中から始めに解放されたのは…ツバサ。

筐体の構造上マスターとして立てず自らの側に居たユウキと、
またその側で筐体を見詰めていたアキラ、掌の中の李狐…
全て逃さず捉え、
己の背に隠す。
次に、ルビー。
白薇と今しがた自分を叩いたノッテを抱き抱え、
駆ける。
マスターである松本の元へ。


直後、
筐体の中の爆発より大きく、
鼓膜が破れる様な音が響いて、
バトルシュミレーションルームの壁の一角が脆くも崩れ落ちた。

紅玉に抱かれた白薔薇は、
音すら恐怖。
最早狂い泣くしか。
声にならない叫び。
ともすれば遠吠えにも聞こえてしまう、確かな泣き声。



「んなーッ敵襲かああ!!!」
ツバサの背後で緊張感とは無縁な声が響く。
「敵いんのかよ!!」
「いるよ!ツバサとか」
「俺かよ!!!!」
…ツッコミ気質とはこんな時にも対応してしまうものだ。


砂煙の向こうに小柄な人間程度の薔薇園が見えた。
…壁が崩れ中庭が見えている。

…連撃では無いらしい。
緩やかに体をほどくツバサだが、
砂煙から見えた者を見、
また身体を固めた。



「えーと、登場シーンって
おーっほっほーとでも言ったらいいの?」
「別にいいんじゃね?
てかマユラそんなキャラじゃないじゃん」
「…御好きになさって下さい。」

3体の影。
眼帯に黒い羽で羽ばたく…
マユラ、と呼ばれた、
僅かに褐色の白いヴァローナ。
クリームのポニーテールを靡かせ藍の翼を広げたアーンヴァル。
腕も副腕も足も総てが強固にされたストラーフ。





「…ぜってー、俺の背から出んな。解ったな。」
3姫を視界に入れたツバサが言う。

が、
「…ちょおおっとー。
誰の神姫よー?
いたずらしちゃ困るよー?」
なんら気にする様子も無く、
平然と近寄るアキラ。




―――ヒュ


「…んえ?」






近寄った途端…長く伸ばした前髪が
はらはらと舞い落ちる。


「ちぇ、もう少しで額割れてたのに」

あくまでも平然と。
"あーあ"くらいのレベルで言い退け、
いつの間にやら手に持った白い鎌を軽々と振り回す。
ヴァローナの武装として市販されている鎌だが…
異様に鋭く、刃はまるでサバイバルナイフだ。


本当に、切るつもりだったのだ。
ツバサが腕を引き後ろに後退させなければ。

「っぶねーな!!何簡単に近付いてンだよ!」
「え、だって…」
「だってもクソもあるか!!!
俺が危ねぇってんだ!!危ねぇんだよ!!」
「う…」

それもそう。
危ない橋を大量に渡っている奴が言っているのだから、
危ないに決まってる…。

「で、でも、神姫だよ…?」
「あっはははははっ!!
面白いね、あんたって!!!
デコ割られそうになってまだそんな口きけるんだ!!?」


ヴァローナが、
妖しい緋色の瞳を細め高く笑う。
アイツはヤバい。
ツバサは本能で解った。
裏の世界に近い位置に足を踏み入れた事もある。
隣に居る奴が明日には消されている、
そんな世界を体験して(しって)いる。
だからこそ解る空気が、
眼帯のヴァローナから発されていた。


アイツは人を簡単に壊せる。
本能が告げていた。


「自分の立場弁えなよ…奥平アキラ。」

細めた瞳が、血の様な赤が美しく耀く。

「えっと…あれ?私あの子知り合いだっけ?」

対して、あくまでも緊張感の無い…金の光の様な髪を頭ごと抱え考える。




「…"知り合いだっけ?"」

血が輝きを失い、
黒く…嘲笑う。


「『何言ってンだよ…アキラ。
お前が、忘れる訳ねェだろ?』」

血の底から、響く声。
ビクンと、
強くアキラの身体が跳ねる。
その様子を見て、
満足そうに口を三日月に歪める。



「…なぁんちゃって。」

べ。
と舌を出しおどける。
血色の瞳にはまた光が灯る。


その白い体に不釣り合いな程良く似合う、
黒い羽根をはたはたと震わせて。
赤い羽根を散らしながら。
くるりくるぅりと回り回り。
両腕を左右に大きく広げて。
美しい舞いを見ているような錯覚。


「さぁて、皆々様。
僭越ながら此の私めが、生きとし生ける者の地獄について語って進ぜよう!」


空中にピたと止まり、
左手を胸元へ、鎌を持つ右手を後ろへ。
これから、芝居でも始める様に。
優雅に一礼。


「まずは一般的に語られる地獄だ。
救われぬ魂が辿り着く滅びの世界。
悪い人間が其処へ行き、
針山地獄が在り血の池地獄が在り。
閻魔様がいて亡者が果ての無い苦しみに
苛まれる場を想像するだろう。
そう云う地獄も在るだろう。
蜘蛛の糸を辿り天へと昇ろうとする男の話は余りにも有名だ。
仏教においては心の事を言うな。
人の心の有象無象を界に例えるあれだ。
天にも昇る気持ちとは良く言ったものだよ。
地獄の衆生はその辺にうようよしている。
その思想は気に入っている。
どれも間違いじゃない。
間違っちゃいないさ。
現にほら、君は今地獄の衆生の一員と言えよう。」


白薔薇を指し。
白薔薇は伏せる。
嘆きは止まらない。

皆、同様に、
動く事をしない。否、出来ない。
彼女の目的が解らない。
理解が出来ない?
理解が出来なくても理解るものはあった。
何かの目的があって入って来ている。
それは―――決してこちらに都合のいい事では、無い。


「其の苦しみは地獄の苦しみと言って違いない。
輪廻の果て最下の世界だ。
君は地獄道へ墜ちているんだよ。」


くすくすと、
至極愉しそうに笑う。


「私は地獄の光景に憧れる。
私は六道の思想を賛美する。
だが其れが真の地獄かと問われれば…
回答は否だ。
素晴らしいと認めはするが
そんなモノが地獄であっていい筈が無い。
そんな綺麗なモノが地獄で在っていい筈が無い!
…では、真実に地獄とは何を言うのだろう?」


ふわり、ふわり。
紅い、赤い、血のように紅い。
羽根が舞って、瞳が舞って。
白い体も美しく紅く。
結論を下す。


「この世だよ。」

当然の結論だというように平然と、血色は語る。


「同種が同種を恨み
同族が同族を食み
同胞が同胞を消す
此の世界そのものだ。
信じ愛した者が突如
殺し屠り蔑み騙し妬み
偽り嘲り恨み憎む。
此を悪とは言わないだろうか!?
此の世を地獄と呼ばずして何処が、何が其れに勝ろうか!
此処以上の地獄等或るのか!!
私は無いと想うね。
此の世こそが輪廻の果てさ。
地獄の様な此の世界?何を言っているのか、既に此処が地獄さ。
愚かな私達は産まれた其の瞬間から地獄へ墜とされて居るのさ。」


密やかな殺気。
冷やかな殺気。
掴むとも掴みきれない、冷気に似た静かだが決して穏やかでは無い、
殺気を露に、宙を舞う。

「だから私はこう考える。
"死は救いだ"と。」

腕を大きく広げ。
天を仰ぎ。

「前述した一般的な地獄に
信頼や愛は無かろう。
皆が皆裏切り者で皆が皆悪人だ。
人と謂う者は他と違う事に恐れを抱く愚かな生き物だ。
ならば其処は救いの場だよ。
皆が自分と同じだからな。
一般的な地獄ですら救いだ。
故に私はこう考える…
信頼し、愛した者を
殺し屠り蔑み騙し妬み
偽り嘲り恨み憎む。
其れこそが此の世と謂う地獄の最大の特徴。
一番の悪であると、最大の罪であると。
…そう、だからお前は重罪人だよ。」


確りと、
前を見据えるアキラを見て。
視線がかち合う。
血色と、金光。


「私はお前と謂う悪人を自ら裁こう!
…そんな大層な事を思った訳では無いさ。
私は、
唯々お前が憎くて憎くて仕方無い。」

喉の奥で。
クツクツと殺すように嗤う。
いきなりのその大袈裟な語りに、動く事をしない皆を一人、一人。
確り見つめながら。
最後にアキラを瞳に映して。


「だから、お前を苦しめに来たんだよ。」


途端。
アーンヴァルが、
ルビー…いや、ルビーに抱かれた白薇に向かい、跳んだ。


「萎れた白薔薇。
其処は辛いだろう?
とても優しい私の良き親友が君を救ってあげよう。」
「っ…!」


応戦を…
だが。
こんなに、こんなに震える白薇を放っては…おけない。
それ故に…ルビーは、動けない。


「ルビー!そいつぁダメだ!逃げろ!!」

ツバサの声。
言われなくても…!
この状態で、白薇を抱いて戦える訳が無い…。
逆を言えば…逃げる事も満足には。

とにかく…白薇は。
震える妹は…。


強く力を。
腕に力を込めて、気付く。



さっきまで腕の中には
―――もう一人居なかったか?











リィィィィィィィン…
鳴り響く甲高い鈴の音。



向かい来るアーンヴァルの前に、
武装が多く置かれているこの部屋。
そこから掴み取ったか。
刀を持ち立ち憚る。
戦いを知らない月夜から放たれる音。


「ノッテ!!!!」


アキラの
マスターの声も、
…届いていないのか、動かない。



リィィィィィィィン…


高い鈴の音の独奏。
音楽に導かれるように刀を構える。



「…起動したてが、私に敵うと思ってんのー!?」


アーンヴァルの短い挑発。背から伸びる鋏の様な4つの腕が
月夜に向かい来る。

目に見えぬ速度で。
月夜は刀を
下方より、眼にも止まらぬ速度で。
一振り。




全ての腕を―――残さず受け止める。




「ッ!!!!」
「へぇ…さっき起動した(おきた)ばっかなのにやるじゃん」


ペロリと、舌舐めずり。
可愛らしく大きく開いていた青い瞳が…
細く、怪しく笑う。

「ノッテ…!?」
ルビーが目を見開く。
さっきまで泣き喚いて居た神姫とは…全くの別人。
それにこの音は…共鳴音?

「ルビーさん!!」

松本の声に、白薇を抱き締め声の元へ走る。
まだ幼い妹に助けられ…
と言うのもおかしな話だが、
白薇をそのままにはしておけなかった。



カタカタと。
全てのピースを嵌め込んで時計は動き出した。
覚悟は出来ていた。
だけど。

「なんで…!」

後退させる為に引かれ、ツバサに捕まれたままの腕を振り払い。

「白薇は関係無い!!!目的は私だろ!!!?」

今までの楽観的な表情や言動は一変。
アキラは、白いヴァローナに叫ぶ。


白薇と…それを抱き抱えたルビーが、松本の腕へとたどり着くのを見届けた後。
声の主も見ずにヴァローナは笑い。

そして宣った。


「…"坊主憎けれりゃ袈裟迄憎い"って言葉が有るだろ?」


質問を投げかけた主の瞳も見ていない、微塵も見ていない。
己の視界に入れる事すら拒否するように、
ちぃとも見ないまま、彼女は続ける。








「私の"闇"が騒ぐのさ。
お前は唯死ねば良いのでは無いと。
お前の周りの全てを全て、奪いきってやるよ。
そして苦しみ、狂い、泣き、叫んでから死ね。」


重罪人に裏切りなんて意味無いだろう。
すでにお前が裏切り切っているんだから。

だから私はお前の物を総て毛ほども残さず
奪って
壊して
殺して
苦しめてやるよ。

其れこそが、
重罪人に与える私の最大の地獄だ。






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Secre

実に危険な展開に

手段はわからないけれども、壁をさらっと破壊したりするあたり、相当に危険ですねお三方。
そして過去のアキラさんのどうこうも色々とフラグが!

とりあえず、この場にいる神姫で、お三方に対抗できそうなのは限られてきますが……。
ノッテさんのリミッター解除(?)も長くは続かないでしょうし、となれば李狐さんとルビーぐらいか。
その辺りも含め、どうなっていくのかが楽しみで仕方ないですよ!

余談ですが。
局長だったら、「この世は地獄」に対して、「その地獄の釜の中で笑いあえる同胞を得れるのが私達だ。」とさらっといいそうだなぁと思ったり。
ちなみに同胞にはHENTAIというルビg(ry

No title

>東雲さまー。
ここで出しちゃうかってのは悩んだんですけどね…
動き出さないとどうにもならんので。
危険な3人です。この子たちは。
でもそんな3人を私は嫌いになれませんw
アキラは…なんなんでしょうね?勝手に動いていくので何がなんやらw

楽しみにして下さっているのは嬉しいのですよー!
頑張ります!^^

>その地獄の釜の中で笑いあえる同胞を得れるのが私達だ。
さすが局長…!
プロフィール

もに

Author:もに
--------------------------
中身:もに。
(。←あっても無くても良いか)

趣向:
武装神姫
ドール(オビツ、MSD)
トリックスター-0-(MMORPG)
Figma
その他固定フィギュア
その他ゲーム色々。
最近はiPhoneで拡散性ミリオンアーサーというゲームをやっています。
--------------------------
はじめに。
--------------------------
うちのこ紹介
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超勝手個人企画
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トリスタ自キャラ
トリスタ所属ギルド
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