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激化、失相-8-盾


※連載SS『月下思想』の第8話目になります。



大分心の弱い面が出ていますので苦手な人は避けて下さい。
文才の無さでそんなにひどくは無いです。


続き、白魔型考案者の東雲様のお宅より数名お借りしております。





























































○○覚悟は、出来てる。








































「…"坊主憎けれりゃ袈裟迄憎い"って言葉が有るだろ?
私の"闇"が騒ぐのさ。
お前は死ねば良いのでは無いと。
お前の周りの全てを全て、奪いきってやるよ。
そして苦しみ、狂い、泣き、叫んでから死ね。」

「…っ、」

白いヴァローナはアキラを視界にも入れずに、
だが確実に彼女に言った。
白薇…強いては、ノッテを見詰めたままだ。
要するに…真逆に位置する、アキラの元からすれば…隙だらけ。

それを好機と見て、
李狐が常に胸に隠し持っている伸縮性の小刀。
それを携え眼帯のヴァローナに飛びかかる。

しかし。



「なっ!」


完全に視線はこちらに向いていなかった。
にも関わらず、
重装備で重々しく固めたストラーフの副腕に
易々と止められてしまった。


「李狐!!」


ツバサの背に隠されていたユウキが、車椅子から身を乗り出す。



口元を歪ませる事すらせず、
ストラーフはポツリと、誰にも届かぬ声を漏らす。


「隙を狙うか…
流石はHolo¢aust」
「!ほろ…!?」


意味深な言葉に隙を取られてしまった。
そのまま、ぶんっと放り投げられる。
しばしの空中浮遊の後、
体操選手顔負けの素晴らしい着地で、
うまいこと筐体の淵に着地は出来たが。




ガンッ




「っ、ぐ…!」
ストラーフの、大き過ぎる剛腕に首元を掴まれ、
筐体へと圧し付けられる。
「マスターの目的は今はお前じゃない。
黙っていろ。」
「ぐ、ぅ…っ!」

圧倒的な力。
神姫にこんな力を出すことが出来るのかと、疑いたくなる。


…そんな状態でも、
「、ンタ…っ私の何を、知って…!!」
意味深な言葉。
それの意味を。
「知らない事で罪は消えない。
お前は後回しだ。
黙っていろ。」
駄目だ。
意味がわからないどころじゃない、
異常過ぎる力に意識まで遠退く。
抜けられもしない。
こうする間にも、
さっき産まれたばかりのあの子は…戦っているのに…。









4本の、鋏の様に狂暴な副腕。
一本の刀で受け止めきる彼女は…
産まれたばかりの、夜空の月。


「あっはは!知ってるよそれ!!
リミッター解除でしょ!?」
アーンヴァルが高音で笑う。
頭が痛い。その頭に高音が耳障りに轟く。
戦いたくない筈なのに体が勝手に動いていた。
使い方を知りたくもない、
刀を手にして居た。
唯、白薇を守りたくて。
割れてしまいそうなくらいに頭が痛くて。
何を言われているのか理解が出来ない程に。


「リミッター解除…っ!!?」
ルビーから白薇を預かり。松本が独り言の様に、叫ぶ。
しかし、感じる違和感。
リミッター解除とは…殆どの白魔型に備わっている。
(リミッターが掛かっているのだから、解除も必ずある筈なのだから。)
解除条件も如何にせよ、殆どが…


"マスターの為に"。


それが白魔なのだ。
(時には例外も居るが。)


"積もり積もった想いが雪崩れになる"
のだから、
起動したばかりの、
"マスターへの想い"を高めきっている筈が無い彼女が、
"マスターの為に"リミッター解除をしたのであれば…
相当量の負担が掛かる。





だが、これはどうだ?

あの高音の共鳴音。








――――少なくとも、
彼女は、白薇を守る為にリミッターを外している…。
"マスターの為"では、無いのだ。

マスター以外の者への想いによる…リミッター解除。
今、松本の掌で、
思考の恐怖に囚われた、小さい白薔薇の為に。






ググ、と
アーンヴァルの副腕がノッテの刀を、腕を揺らす。


まだ、まだだ。
私の上限はここじゃない。
と云うように。



「ま、リミッター解除してもその程度かぁ…
マスターがあんな人間だったらしゃーないか?」






「…!!」





体の奥で、低く鈴が鳴る。
共に聞こえるのは…目覚めた後の、
マスターの優しい声。


『信愛し合って親愛し合える仲になりたいだけなの』




「罪深い人間だもんな、アンタのマスター。」
クツクツと咥内で憎たらしく嗤う。
"アンタが可哀想だよ。"
とでも謂う様に。





「…ます、た…!」







リィィィィィィィン…
 リィィィィィィィン…
高音と低音の二重奏(デュエット)。
ソプラノとアルトの共鳴音。






「…まさか」
松本が気付いた時には遅い。










リミッター解除の…競合。


「…きら、は…っ!!!」

「はっ!?」

ぐぐぐ、と
アーンヴァルの鋏が押し戻されていく。

「つ…ぶか、ない…っ!!!」

リィィィィィィィン…
 リィィィィィィィン…
鳴り響く音は心地好いのに、言葉を発する事すら、苦痛。
其れ程に頭の芯から激痛が走る。

「何言いたいのかぜんっぜんわっかんねぇんだけどー!?
第一、りーんりーんで私に勝てるとでも」





ブォンッ


「、ぬぁっ!!!」
ノッテが、勢いよく刀を振り切り、
互角の天秤が一挙に傾いた。
片方の皿は…飛ばされる。


「ノッテ!!!!!!」
「っ!!!!」

優しいあの声。
アーンヴァルが言っている事は何一つ理解できず、
自分でも満足に紡ぐ事も出来ない無力な言葉達なのに、
その声だけは、
マスターの…アキラが自分を呼ぶ声だけは、
頭に届いた。


リィィィィィ…
 リィィィィィ…


音が薄れ、消えてゆく。
ぐらりと、弱々しい月光が消えゆく。

「ノッテ!!」

ルビーが駆け寄り、倒れゆく身体を支える。

「馬鹿か!!起動したてでリミッター解除なんか…!!!」
「…っ、わ、からな…」
「っ良い!!喋るな!!!!!」


消え逝きそうな意識を、唯必死に保つ。
グラグラと脳が揺れる様で…気持ちが悪い。

投げ出されたアーンヴァルは…
藍の翼で空中で体制を容易に立て直した。

「はっ、休む暇何かやんねぇって!!」

紅玉へと、狙いを定め、
急滑降。
副腕を鋭く向ける…









ガッ


「!」
「あの程度で私がやられると思わないで」

藍の翼に飛び乗りた…右眼の赤いマオチャオ。
≪Garden≫唯一のSランカー、朔弥。
両の足で翼を抑え付け、背後から首に腕を回し。
…まるで女子プロレス。





そして。






ゴシャッ



「っ」
朔弥の全く逆で、
李狐を抑えつけていたストラーフの豪腕が…叩き割れた。





黒く鋭い目付きで…既存ストラーフのハンマーを持った、狂華。

「…なにしてるの。ここは僕の部屋だよ」
「っ…狂華…!」
お前の部屋じゃないけど。
等と誰も突っ込む余裕も猶予も無かった。
両者共、ボロボロに破れ切った服装で現れた為か。
狂華に至っては…左腕が、肩からごっそり無い。



「…あの程度で死にゃあしないとは思ってたけど、
こんなに早く起きてきちゃうとわねぇ」

優秀優秀、と寒気がするほどの笑顔で拍手などしている、
眼帯のヴァローナ。

「んー。でもどうしよっか。
今日は私、白薔薇を壊しに来たんだけど…
この人数差はちょっとズルいよねぇ」


考え込むように呟き。
思い付いた様に
再び、瞳から光が消える。



「…さぁて。ここで問題。
私は他にも白薔薇を壊す手段が在ります。
それは何でしょう?」























ヒュ、と風を切るような音。





動体視力が優れ、
宙を飛ぶアーンヴァルの背に居た朔弥だけが…それを視線に捉えた。
声に出す時間は無かった。
彼女の目の様に鋭く、そして獰猛な銀が。
ユウキへと向かうのが見えた。
…彼には朔弥のような素晴らしい動体視力は無い。
ましてや、持っていたとしても。
車椅子で、素早い物を避けれる筈もない。
呼ぼうとした、しかし。
しがみ付いてもしつこく暴れるアーンヴァルによって、
発声しようとした声は咥内で転がるだけ。


無情にも。
風切りの速度で飛翔した銀は。
















「答えは―――
白魔型の最愛、白薔薇の狂愛のマスターを殺す事、
かな?」











冷たく
切っ先を赤い滴で濡らした。

































































































ポタリ、ポタリと。
赤い滴が、床に薔薇を描く。

「…っつ…」









ガクン、と身体が力を失い、よろける。


















































「ツバサ…っ!!」

「…あー。うるっせな、ちくしょ…耳元で叫ぶな」

銀に貫かれたのは…
ユウキの車椅子に覆い被さる様に伏せた…ツバサ。

「ツバサ、何やってんだよ!!!!」

今まで、ほぼ見ているだけを余儀無くされていたユウキの…車椅子に乗せた膝に、崩れていく。
力無く凭れ掛る、おそらく自分を庇い倒れる彼に問い…声を貼る、ユウキ。

「何やってんだって…お前の盾だろうが、俺は。」

顔を上げずに。
掠れて消え去りそうで居るのに、
その声だけは声ははっきりと響く。

背には、投げた…とは思えない。
それぐらい、深く射し込まれた銀の―――サバイバルナイフの様な刃物。


「………」


冷たく。
燃えるように、または流れる血の様に瞳は赤いのに。
あくまでも冷たく。
冷たい瞳と同じ色の花を咲かせるツバサを見開いた彼女の右目が捉え。
その睫に、滴が灯る。



何かを思い出す様に。
瞳を震わせ、眉が歪む。
哀しく、











「マスタァァアァァァァアー!!」


先の威勢が嘘の様。
感情が180度転換。
涙を流し叫んだ。
狂い茨の慟哭。


「は、誰が…?」
ツバサが僅か振り向き見やると、
まるで子供の様に泣き崩れる、幼すぎる少女。

「いや、いやだぁ、マスター!マスターぁぁ!!!!」

手を、
届かないのに手を伸ばし。

一筋じゃ足りない涙を流す。

「っ、胡蝶!!!」
「わかってる!」

アーンヴァルが、
背に乗った朔弥を自らと共に壁に叩きつけ振り落とす。
胡蝶、と呼ばれたストラーフも、
泣き狂い叫ぶ彼女の元へと。
ツバサに腕を伸ばし、
悲痛に顔を歪ませるヴァローナ…マユラを胸に抱き、ストラーフは初めてその無表情を崩す。

皆一様に、何が起きたのかわからない。
筐体の中で聞いた、白薔薇の叫びにも似て否なる―――哀しい嘆き。

その声を耳にはっきり入れ…


霞みそうな頭でルビーに抱かれたまま、瞳だけを声に向けたノッテが見たものは、
腕を伸ばし目を剥き涙を流し声を張り上げ。
親から引き離される子供の如く。
侵入時の姿勢も威勢も威力も迫力も、
総てを剥ぎ取られ啼く事しか知らない悪夢の光景。


それを最後に、
月夜は意識を沈ませた。




next...




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最近はiPhoneで拡散性ミリオンアーサーというゲームをやっています。
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