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月光夢想-4-直後


前まで更新出来ていないことなどざらにあったのに、
なんだか悔しいので溜め込んでいたSSを載せておきます。
書きなおすかも知れません
多分書きなおさないですが。


※連載SSの第二部4話目になります。


さぁ、進みましょう。









































































店での用は完全に終えた。
口は悪いが有能な秘書が真っ白いオープンカーの扉を開けてくれる。
両手が塞がっているとこの車のガルウィングは開けられない。
礼を言い、助手席に座る。


そして、ギリギリ2車線のあの店がある通りから、4車線の大通りに出る信号で一時停止。
この車は外車である為、僕は右側に座っている。秘書は左側だ。
…大通り沿い、僕の右斜め前に、秘書の好きな喫茶店が目に入った。
来る時も通った筈の道だが、
僕は娘にばかり気を取られていたので見えていなかったのだろう。
最近珍しく、煙草も吸える喫茶店だ。
ヘビースモーカーな秘書はそこが気に入っている。
丁度いい、待たせた詫びも兼ねて少し休憩しようと、秘書に話しかけた。

「ツバサ、休憩して行こうよ」
「あぁ?…良いって。疲れてんだろお前。」

…なんでだろう、睨まれた。
きっと喫茶店に気付いてるんだ、こいつ。
変なとこ気ぃ遣う奴なんだ。こいつは。


疲労感があるのは確かだ。
今日は朝から客先との会議があった。
一般的には休日であるとはいえ、どうしても外せない会議だった。
まるまる一日休める等、社長という位についてから経験した事はない。
その会議以外は予定は入っていなかった。それが僕にとっての休みだ。
その為、余り多く時間を取れない娘とゆっくり過ごすために、≪Garden≫から白薇を連れ出して居たが、
だからといって彼女にうつつを抜かしているのでは仕事がおろそかになってしまう。
まぁ、要するにいつもの通りに――――だ。
会議を通常の通りに終わらせて、
次からがむしろ僕の本当の目的と言っても良いくらい。

買い物ついでの散歩だ。
いや、デート?
なんか一人余計なの居るけど、僕はそんな気分だ。
だからあえて此処から少し離れた大きめの神姫ショップに寄った。
そこもうちの社の客先なのだが、お得意様扱いされていたらゆっくり物を見る事だって出来ない。
休みとして来ているのに特別扱いして頂く訳にはいかない。
そう思ったから、普通の一般人としてショップを回っていたのだ。
常人より体力のない部類に属する僕が、
人混みの中歩く事、それだけで疲労困憊となるのをすっかり忘れていた。
忘れていた…訳ではない。
自分が忘れる筈が無い。
でもそんなに顔にまで出る方だったか?


「…何年一緒に居ると思ってんだよ。
わかるっつの。それくらい。」

そう呟き頭を掻く秘書。
少し考えて僕は答える。


「まだ二年だけど」
「…るっせぇな。行くぞ」


僕の言葉もロクに聞かず車を走らせようとする。
二年も一緒に居るとか言うなら解れよちくしょう。

「疲れてるから休憩するんだよ?」

笑いながらそう言うと、
彼は観念したように頷いた。
ほら、やっぱ行きたかったんじゃないか。
煙草にはコーヒーが合うなんてしょっちゅう言ってる奴の好みなんて解りきってるよ、全く。


しかし、そこで。
僕の胸ポケットの娘が、目を見開いて明後日の方角を見ているのに気付く。


「白薇?」


そう声をかけるが、
彼女は首を激しく横に振り。

「ごめん、何でもない」

それだけ言って、店主から受け取った茶菓子に目を移した。


…どう見ても何もないようには思えないのだが。
しかし彼女が何も言わないのだ。
そこまで首を横に振られればこれ以上は聞けない。
聞くのは野暮というものだろう。


今思えば、この時彼女は。
何かの予感を感じ取っていたのだろう。


そんな事も知らず。
喫茶店へ向かう為に、秘書が車を
喫茶店の斜め向かいのファミレスの前。
3、4台程度の駐車スペースに停車する。
向かいの喫茶店には駐車場は無いからだ。路上駐車よりはマシだろう。
先に秘書が運転席から降り、助手席に回り。
僕を閉じ込めるガルウィングを開く。

ガラスケースをそこにおいて行くわけにはいかないので、
それをしっかりと抱えたまま地に足を付けた、その時。


♪~♪♪~


電子の音楽。
携帯の着信音。



すかさずすぐに携帯を取り画面を見ると、
お得意の客先の文字が浮かび上がる。



僕は秘書と娘に向いて、
「ごめん、先に行ってて」
とだけ告げ。
娘を秘書の肩へと座らせた。
二人とも一瞬戸惑う様子だったが、
急ぎ、梱包されたガラスケースと小箱を助手席に置いて、
すぐに携帯を通話状態にして耳に当てるのをみると、
喫茶店に向かい歩きだした。



(一応の)休日まで予定外の仕事に振り回されるとは、損な事だ。
等と思い会話を進めていたが、
何の事は無い。今度の定例会議の時間決定等のほんの少しの会話だった。


会話が終わり、息を付くと共に終話する。




僕は忘れる事は無いのだが、
秘書の為にと助手席の下に置いてあった自分のカバンから使い古した手帳を取り出し、
電話の内容を書き込む。


さて、待たせてはいけないと思い、助手席のガルウィングを何とか下げ。
助手席に置いたガラスケースを手に取ろうと、上から身を乗り出したところで。










車の前方…丁度運転席側の前輪の近くに…黒い影を見つけた。



鼠か?等と思い、通り過ぎようとしたのだが。











直後に目に映ったのは、地に横たわる小さな―――手。






…認識した途端、駈け出していた。
黒い影の元へと。





影がしっかり視界に入ると、それはやはり神姫。
同じように伏せた黒い髪。
一体何があったのか、薄汚れて傷だらけの体が痛々しい。










「しっかりして…!大丈夫!?」

その神姫を出来る限り優しく。
両手でしっかり抱きあげる。





目の前の彼女ばかりに気を取られ。
音など一切聞こえていなかった。
































―――直後。



何が起きたか、この時ばかりは理解出来なかった。

激しい炎、黒煙、爆風。


それらが、黒い彼女を掌に収めた僕を―――包み込んだ。









next...


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comment

Secre

出会いと、そして

ついに衝撃的な現場に立ち会う事に!?(回想ですが
結末が分かっている、かつそれが悲劇ならばなお、読み進める過程ですら物悲しいものです。
しかも、見事に悲劇へと向かっていく様が描かれている事が、それをなお強くさせます。

……っていうか普通に読んでいく過程で物悲しい気分になったよ!
あの子との出会いやら、その語の白薇さんの心情を思うと、また気にかかってしまいます。
あ、ツバサさんもいましたね! ……うん、それはまぁ置いといて(マテ

一部核心部分が垣間見える気がしないでもない次回を楽しみにさせていただきます。

No title

東雲さまー。
物悲しくはなりますよねー…それなりに痛い話なので。。
ツバサの見所は次回以降です。笑
核心は見えるのでしょうか?私にはわかりません。
とりあえずもうSSのストックが少ない事が問題だ!!!!5月までには終わりたかったんだけど終わらなかった!
どんだけ長くなるんだ!!!!
プロフィール

もに

Author:もに
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中身:もに。
(。←あっても無くても良いか)

趣向:
武装神姫
ドール(オビツ、MSD)
トリックスター-0-(MMORPG)
Figma
その他固定フィギュア
その他ゲーム色々。
最近はiPhoneで拡散性ミリオンアーサーというゲームをやっています。
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