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月光夢想-10-○される覚悟

※連載SSの第二部10話目になります。


せっちゃんマジ怖い。



毎度恒例、白魔型考案者の東雲様のお宅より数名お借りしています。




















騒ぎの翌日。


"Holo¢aust"について詳しく聞くには、
どうしても彼が必要不可欠だと。
心底嫌そうな顔で車椅子に座ったまま答えた金髪は、
ここには居ない。



要するに、ここに来る事を拒否した。
「あんな奴、仕事か客ででもなきゃ会いたくも無いよ。」
その一言だけで拒否した。


結局押し黙ったまま何も語らなかったアキラにその過去についても、


「そいつなら何か解るかも」
といったのは他でもない、
彼女の兄の筈のユウキ。
周りが抱くその疑問になにも答える事もなく。
兄の尋問を避けるよう逃げ去った彼女を追う訳にもいかない。




"Holo¢aust"に一番関係深い李狐。

そしてなんだかんだで関わってしまった松本とルビー。

一度はあの3姫に"倒された"事が余程効いたのか、関わってくる朔弥。

李狐を連れ戻し、運転手役を自らの上司に命じられたツバサ。

計、2名と3姫。



向かう先は件の事故現場に近しい―――それでも幾分落ち着いた、


如何にもな路地裏。



"彼"の所在地はここには居ない…
心のド真ん中から此処に来るのを拒んでいた、ユウキが探し出した。

彼の顧客であれば、場所のヒントとなるDMを受け取る事が出来るらしいのだが
(あくまでもヒントのみではあるが)
それ以外で彼の所在地を知るのは困難極まり無い。


その困難を可能にしたのが、例のセル・フェデルカだった事は紛れもない事実で、

そんなものを作れる人間というのは気がおかしいんじゃないかだとか、

それをユウキに渡す事自体正気の沙汰じゃないだとか、

そう思う気持ちもあったのだが、話が逸れてしまうのでここでは語らない。






とにかく、国家機密まで奪ってこれてしまいそうなたいそうなシステムを使わねばならぬ程に…

"彼"は、掴めない人間なのだ。





「そこまで…なんですか」





ぽつりと松本が呟いた言葉に、
すっかりおなじみになってしまった車内での銜え煙草で







「掴めないっつか、自分は土足でずかずか入ってくンのに自分は近寄らせないっつか。
正直、気味が悪い。
あんなんで良く商売出来ると思うな」


「はぁ」

「…テメェとなら気が合うんじゃねぇの。
空気読めるモン同士。」






何気なく呟いた言葉がとんでもない間違いだったと
彼が気付くのはそう遠くは無い。

































「あぁ、ごめん、俺君の事大っ嫌いだわ」

到着したのは車一台がやっとの狭い路地で。
其処に変な違和感しか与えないマンホールがあり、
その中が今の彼…仲瀬セツの居城だった。



そこへと彼らが脚を踏み入れるが早く、
彼等に気付き近寄ってきた店主…仲瀬セツは。
松本を見るなりそう告げたのだった。


流石の松本も虚を突かれた様で。
瞳をこれでもかという程大きく開いて、
自分より頭一つ程小さい彼を見つめるしかなかった。



「あーもうダメじゃん。
こんな人ここに入れちゃー…
ダメなんだってこーゆー人間。
大っ嫌い。虫唾が走る。うわーもうどうしよう。
ちょっと相場君何してくれてんのさ」
「相田です。」
「敬語じゃなくて良いって。
君はそんなの合わんでしょ。
てかなんでこんなの連れてきたのさー相場君」
「相田です」







それなりにツバサも動揺しては居たが、
松本に至っては平然と見えるが、それ以上の動揺があった。


初対面で、顔を見るなりいきなり
「嫌い」と豪語され、しかも"こんなの"呼ばわりだ。
驚かない筈も無い。



「ったくもー、俺心理学者好きじゃないんだよなー…
しかも君、そのめっちゃ典型ジャン。
周りが根底で望む事をあっさり読んで叶えちゃう人間。
心で望んでる言葉を読んで発する人間。
そーゆーの、俺大っ嫌い。」

「…では、僕は去りましょうか?」

「アッハハハハ!
困ってるね!?そりゃそうだ、俺が読めないでしょ?
そりゃそうだよね?
俺は君が大っ嫌いだ。視界にすら入れたくない。
話す事なんて以ての外だよ。
でもそれに反して、君が大好きだ。
夜が更けて陽が昇るまで話していたいと思っている。
だから読めるはずが無いよね?
そんな矛盾、読めないよなぁ?」








同族嫌悪と同族意識。
近くに存在して相容れないもの。
相容れない筈のその感情が…彼の中では容易に融合する。
殺してやると言いながら抱擁するような。
愛していると言いながら突き落とすような。





衝動にすらなりえる矛盾。


常人ではとんでもない衝動にすらなり兼ねない矛盾が彼の中には同居している。


それを全て抱え込んで、尚立っている。
尚生きている。


此処に来る前。
ユウキが言っていた言葉をやっと松本が理解した。



「あいつと解り合おうとしちゃダメだよ。
そんなことしようとしたら引き摺り込まれる。
二度と戻って来れなくなる。
あいつと解り合える"人間"なんて居ないんだ。
神だってあいつの事なんて解らない。
あいつとまともに会話出来るのは神姫だ。
人間で言うと…まぁ、僕と夏希くらいかな。」





成程、納得せざるを得ない。
彼は…最悪だ。



誰もが抱え込んで生きているであろう矛盾をいちいち浮き彫りにして、
本当はどちらかに目を瞑らなければ理解すら出来ないそれを両方とも浮き彫りにしたままそれをそれとして受け入れて。
隠さず曲げずどうやっても相容れない矛盾を両方とも理解して受け入れて。



要するに彼は…矛盾だらけだ。
少なくとも、松本にはそう見えている。


そしてそれは、否応なく周りに干渉する。
―――それこそ本当に土足で踏み入って―――
人間誰もが持っている矛盾とか、疑問とか、
そんな普段は沼に沈んでいる様な重いモノを、
勝手に掘り出して勝手に目の前に置いていって、
今迄考えもしなかった、目を背け続けてきたそれらを平然と投げつけてくるような。




彼はそんな人間だ。




まるで静かな水面をを掻き乱す大岩。

しかし、だからこそ。
その非凡さは人を集めるに足りる物にも成り得ている…
これも、紛れも無い矛盾。




…彼の本心は知れないが、人間性が解っただけでも良い。
彼の様な人間(パターン)の対処法を知らぬわけでもないが。
おそらく彼は自分が褒めたら怒るだろうし自分が貶せば喜ぶだろう。
僕の様な人間の言葉は全て無駄だと言っても良い。



この種の人間は居ない訳ではないが…未だ嘗て、会った事は無い。





「まぁ、そんな事は良いや…今日は何の用かな?
お客って訳じゃなさそうだよね?」




ニヤリと笑いながら言う。
全てを解かっているかのように。


「…"Holo¢aust"について、お聞きしたいと思いまして。」









それに答えたのはツバサ。
敬語を使わなくていいと言われたが敬語で話し続ける彼だった。







「"Holo¢aust"ね。







消される覚悟があるなら、話してあげるよ。




いつもの「敬語でなくて良い」
そのやり取りをすることもなく。


飄々とした笑顔で。
笑顔を崩さないまま。


恐ろしい言葉を連ねるのであった。






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最近はiPhoneで拡散性ミリオンアーサーというゲームをやっています。
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